「梅干しにカビが生えると不吉なことが起こる」
「梅干しにカビが生えると身内に不幸がある」
そんなことをお年寄りから言い伝えを聞いたことはありませんか?
実際に、梅干しにカビを生やしてしまった年に身内を亡くした、
という体験をされた方もいるのではないでしょうか。
いざ、梅干し作りをしようというとき、
またはもう漬けちゃったというとき、
「不吉」や「不幸」なんて聞くと、少しぞっとしますよね。
迷信だとは思うけれど、やはり気になってしまいます。
これを読んでいるまさに今、
漬けた梅干しにカビが生えている!!
と不安になっている方もいるかもしれません。
本当のところはどうなのでしょうか?
なぜ「梅干しにカビ」が「不吉」なのでしょう?
そもそも塩漬けの梅干しってカビが生えることがあるのでしょうか?
気になることをまとめてみました。
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「梅干しにカビが生えると不吉なことが起こる」は、迷信です!
結論から言いますと、
迷信ですので、心配しなくても大丈夫です。
昔の梅干しは最近の梅干しとちがい塩分がかなり高く、
めったにカビは生えませんでした。
めったに起こらないことが起こる
=なにか「不吉」なことが起こる
と考えられたのが由来のようです。
昔は医療が進んでおらず、
ちょっとした病気でも死に至る恐怖と隣り合わせでした。
当時は各家庭で梅干しを漬け、
薬のような存在として大切にしていたのです。
調子がすぐれないときに梅干しを食べたり、
病気の予防として梅干しを食べたり、
梅干しを食べることで縁起をかつぎ、
日々の健康維持に役立てていたのですね。
そんな縁起物の大切な梅干しですから、
腐ったりカビを生やしてしまった場合には、
たいへん大きなショックだったことでしょう。
病気を恐れる不安な気持ちが大きく、
梅干しに込める期待も大きかった。
だから余計に、
梅干しにカビが生えてしまうことを「不吉」と捉えたのでしょう。
また、
梅干しがカビてしまうほど湿気が多く、空気が淀んでいる
=住環境が健康に良くない
=「不吉」なことが起こる
と考えたという説もあるそうです。
どちらにせよ、
「梅干しにカビが生える」ことと
身内の不幸などの「不吉なことが起こる」ことは
直接的な関係はありません。
病は気からとも言いますし、
気持ちの要因が大きく関わっていそうですね。
梅干しがカビる原因は?
塩分濃度が高く、殺菌効果もある梅干しですが、
そもそも、食べ物なのですから、
腐ったりカビが生えることは当たり前のことです。
最近の梅干しは塩分濃度が低く、
スーパーなどで買える市販の梅干しの塩分濃度は8~10%程度。
賞味期限もありますし、冷蔵保存をしなければなりませんよね。
梅干しが傷みにくいのは塩分18%以上とのことで、
18%以下で梅干しを漬ける場合は、
「腐ってもカビてもしょうがない」という心構えも大切なようです。
自分で梅干しを漬けてカビを生やしてしまった原因としては、
・衛生面が不十分だった
・塩が均一にいきわたっていなかった
・管理や保管が不十分だった
・高温多湿な環境だった
・梅に傷や水分が残っていた
などのことが考えられるようです。
梅干しをカビさせないために気を付けること
梅干しにカビを生やさないために、
・梅の実を水洗いした後、水分を残さない
・梅に傷をつけない
・梅、手、手袋、瓶、重石などすべてしっかり除菌する
・梅酢を全体にめぐらしてしっかりと漬けこむ
・天日干しの際も水分や除菌に気を付ける
などのポイントがあるようです。
梅干し作りは、手間がかかって大変なものなのですね。
塩に漬けて放っておけば出来上がるものではないのです。
その昔、
家族に病人がいて看病が大変だった場合、
梅干し作りをついおろそかにしてしまい、
カビを生やしてしまった。
もしもその病人が亡くなってしまった場合、
「梅干しにカビが生えたから不幸があったんだ」
と結び付けて考えてしまう…
というのにも、なんとなくうなずけますね。
梅干し迷信のまとめ
もしもあなたが梅干しを漬けて、
その梅干しをカビさせてしまった場合、
それは「不吉」なことではないので、
心配しなくても大丈夫です。
カビてしまった原因を見直して、
次回にその経験を活かせばよいでしょう。
梅干しは体に良い食べ物であることは、
昔の時代のみならず現代の私たちにも浸透しています。
梅干しを毎日一粒食べることで、
・花粉症やアレルギー症状を軽減する
・腸内環境が改善される
・食欲不振や消化不良をスムーズにする
などと言われています。
梅干しとはあまり縁がなかった人も、
毎日の食生活に取り入れてみたり、
家族の健康を祈って、
自分で梅干しを漬けてみるのもいいかもしれません。
その際はカビを「不吉」だと恐れなくて大丈夫です。
楽しく、大切に、手間暇かけて。
美味しい梅干しが出来上がりますように。
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